干潟からピナイサーラの滝へ
干上がった船浦湾とマーレ川

帰りは時間があったのでヒナイ川との合流点から、マーレ川に入った。船浦湾はだいぶ干上がっているようだった。

濁っているように見えるが、生活排水はまったくない。ただマングローブのなかを流れるために栄養物が溶け込んでいるのではないかとは思う。カヌーが近づくと、大きな魚が水底に逃げることもある。浦内川ではサメが入ってきているとの情報もあるが、ヒナイ川は浦内川と比べて小さい。

湾への注ぎ口で合流しているヒナイ川とマーレ川であるが、印象が異なるのはマングローブの種類が違うせいだと思う。(上の写真のように)マーレ川の蛇行部の内側に小さな干潟状の砂浜(河原)が発達しているのもヒナイ川には見られない現象だ。そこにはシオマネキをはじめたくさんのカニが生息する。

(徳島には、吉野川や勝浦川の河口にシオマネキやハクセンシオマネキが多数生息している。まさか西表島で見かけるとは思わなかった。浅瀬に付けた船から撮影する。生態系を保全するために、マングローブの砂州への上陸は必要最小限にしたい)

やがてマーレ川もしばらく行くと水が減って上流に漕ぐのがむずかしくなってきた。その辺りにはレンタルカヌーがたくさん置かれていた。

ここはマーレ川から出発して滝へ向かうツアーの出発点となっている。ジャングルのなかにカヌーが置いてあるということは陸路(クルマ)でここまで到着する道があるということだ。

マーレ川から出発するツアーは河口干潟は通らないものの、マーレ川(ヒナイ川もそうだが)の川筋は干潮でもカヌーが漕げる水深はある。海の干潟から行くか、干潮でも可能なマーレ川から出発するかは行く人の判断しだいということになる。

ぼくは水深のあるところを選んで進んだが、船浦湾からの出発では、大潮の干潮時に途中で何カ所がカヌーを下りてロープで引っ張ったり迂回したりして出発地点の船浦大橋のたもとにようやくたどりつくことになる。しかし湾内から漕ぎ出せば、滝を見ながら進めるため、海から出発するほうをおすすめる(レンタルカヌーの事業所によって出発点が異なる)。ぼくが借りたところのスタッフのMさんは大阪出身の人であるが、笑顔で親身に世話をしてもらった。

西表島の西部の道路の終点、白浜の港から舟浮集落へは船で渡れる。つまり舟浮集落は島にあって道路でなく航路でつながれている。その辺りに流れ込んでいる川をカヌーで遡ると観光客に知られていない滝があるという。次回には行ってみたい。至るところでこんな場面があるに違いない。西表をある程度知るだけでも数ヶ月は住んでみないとわからないだろう。

(写真解説)
船浦湾を出るときは、湾内は水を満々と湛えていた(大潮の満ち潮である)。水深は、1〜2メートルぐらいだろうか。それが、午後にはすっかり干上がった。水深のあるところを選んで進んでいくが、ところどころカヌーを降りて引っ張る。

船浦湾の奥に、ヒナイ川とマーレ川の合流点がある。合流点付近は干潮時でも水を湛えている。写真はまだ満潮の頃。

干上がった船浦湾。

深いところを選んで漕いでいくが、水深は膝までない。

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