ホームページをつくるソフト〜ビルダーかドリか?
よく売れているソフトということで「ホームページビルダー」(以下、ビルダー)、プロが常用するソフトということで「ドリーム・ウィーバー」(以下、ドリ)の2つについて考えてみます。まずは、いくつかの経験則から。

(1)いいソフトを使ったからいいサイトができるとは限らない
  • ホームページ制作ソフトは、あくまでHTMLというホームページの記述言語を書き出すソフトであって、デザインをする、情報を整理集約する、心のやりとりをするのは人間です。
  • その意味では、ビルダーにできてドリにできない成果(Webデザイン)はなく、その逆も然り。事実、プロであってもビルダーでいい仕事をしている人たちは少なくありません。
(2)プロ用ソフトが万能とは限らない
  • どこの世界でもプロ用のツールがすべての人にとって有益とは限りません。
つまり、すべて作り手に委ねられていること を確認しておきましょう。

(1)ホームページビルダー(ver7〜8)
  • HTMLを作成するオーサリングソフトと、画像処理を行うウェブアートデザイナー、それにFTP(サーバーに転送する機能)ソフトが合体したものである。
  • 特にウェブアートデザイナーは、フォトショップのように高機能ではないが、使いやすさでは上回る。簡単な画像処理ならウェブアートのほうが早くて簡単。
  • テンプレートを使えば、誰にでもホームページがつくれる。しかしそうすれば、「ああビルダーでつくったな」とすぐにわかるようなものになってしまう。付属のテンプレートや素材は加工しない限り、会社のホームページなどの商用には向かないと考えてよい。
  • 生まれてはじめてこのソフトを使う人が、なんとなくホームページができてしまう。それだけに、HTMLタグが乱れてしまったり、どんなブラウザ、OS、解像度、インターネット回線でみても同じように見えるかどうかが危うい。この辺りを熟知していないと、自分のパソコン上ではいいのだけれど、人のパソコンからみるとレイアウトや表示が崩れて見にくいというひとりよがりのホームページになる怖れがある。
  • タグが乱れるとは、一度つくったものを修正したり削除したりしたときに、意味のないタグ(ごみタグという)が残ることである。
  • ごみタグはたいていは無害だけれど、通信環境を考えると1バイトでも軽くしたいし、残されたタグがブラウザやOSによって表示が乱れる原因にならないようにしたい。
  • 同じデザインなら、できるだけシンプルに記述するのがプログラムの基本。ビルダーの初心者がそれを実現するのはほとんど不可能に近い。そもそもHTMLを知らないと、どれがごみタグなのかさえわからない。
  • そういうわけで、ビルダーはごみタグが多いという人もいるが、これはソフトのクセではなく、使い手のクセである。ごみタグを記述するような操作に気付いて修正すればよい。普通の操作をする限り、ビルダーは基本的に変なタグを記述することはない。
  • はじめての人でもつくれるという仕掛けのひとつ「どこでも配置モード」は自分のパソコンだけまともに表示されるようなホームページを作りかねない。このモードは、使わないこと。
  • これだけの多機能を揃え、しかも実売価格が1万円を切っていること(アップグレードになれば5千円足らずで入手できることもある)など、誰にでも手軽に買えるところが長所。
  • 欠点は動作が重い点。ときどき文字の入力の反応が鈍くなって、おやっと思わされることがある。さらに、作成画面とタグ画面を切り替えるときに時間がかかりすぎてタグを確認するのに実用的ではない。これは、タグ画面の色をモノクロにすると、ウソのように軽くなる
  • 初期設定のままだと、GENERATORタグを勝手に書き込む。つまりホームページビルダーでつくりましたと画面から見えないところに記述してしまう。人によってはこれは許し難いし、実際に好ましくない。これは、設定で書き込まないようにすることは簡単にできるのでそうしておく。
  • なお、ホームページビルダーver9では、動作が軽くなっているようだ。ページ編集からソース画面に切り替えたときにそれが実感できる。価格も歴代のホームページビルダーのなかで戦略的な価格設定がなされている。ぼくは、ver7からの変更だが、アップグレードする利点はあるように思う。欲を言えば、「どこでもモード」をはじめ初心者向けに満載された機能を省いて、代わりにサイト更新、管理に特化した動きの軽いプロ版があれば良いのだが。

(2)ドリームウィーバー(MX2004)
  • ビルダーとは根本的なコンセプトが異なる。HTML言語やその他プログラムについて熟知している人なら、プロ用としてかゆいところに手が届く設計に驚かされる。
  • 細部をカスタマイズしたり修正したりすることが簡単にできる。
  • 立ち上げこそ時間は少々かかるけれど、動作は意外に軽い。画面とタグの切り替えなど一瞬でできるのはビルダーでは不可能な美点。
  • HTMLやCGIなどの関連言語を修得し、Web作成を業務として行う人の選択肢として最有力。
  • ただし、ドリを使っているからいいサイトができると思うのは錯覚。事実、ドリを使いながら、中味もなければセンスもないサイトを量産しているSOHOは少なくない。ドリを使っているという一種の自己満足。
  • なんといってもドリは高価。ホームページビルダーとの価格差3〜4倍を考えれば、おいそれとはすすめにくい。
  • 少なくともホームページを作り始めた人や業務として行わない人が買うソフトではない。なぜなら優れたホームページは人がつくるのであって、ソフトがつくるのではない。繰り返すが、ビルダーでできるサイトはドリでもできるし、ドリでできるサイトはビルダーでもできる。

ここまで読めば、自分にどのソフトが合うかわかってきましたね。

会社などで、業者にホームページをつくってもらうことがあるとすれば、
業者にはビルダーでつくってもらいましょう。
あとあとの更新を自分たちでやれるようにする必要があるからです。

ビルダーで業者につくってもらったうえで、更新の方法も教えてもらうのです。
もちろんこれは別料金となるでしょう。

仕様としては、
テキストベースで崩れにくいレイアウトのデザインにしてもらうこと。

例えば、一文字加えても崩れるような完璧なデザインのWebはつくったきり、動かせなくなってかえって不自由。
そんなサイトは整ったデザインであっても、
人の気配、伝えたいことを伝える熱意が感じられず、
やがて訪れる人がいないなるサイトになってしまうことでしょう。

ただしHTMLそのものは、ビルダーでつくろうが、ドリでつくろうが問題なく相互に読めるので誤解なきように。

このように、ソフトの優劣というよりは、それそれに持ち味があり、
人によって用途が決まれば向き不向きが出てくるという結論になります。
最初からドリが使える社員がいるのなら、ビルダーでつくってビルダーで更新する必要はありません。
ただ、高価で修得に時間がかかるドリを、プロが使っているからという理由だけで安易に採用しないこと。
費用対効果で不利であり、使いこなしで難易度が高いからです。
逆にビルダーは安い割に出来映えがよく、コストパフォーマンスの良いソフトですが、前述のような注意点があります。

結論として、どれかひとつに決めて徹底的に使いこなせばいいのです。何の目的でWeb使うのかというマーケティングでの位置づけをはっきりさせ、伝えたいことを伝えきること、そして顧客とのやりとりがしやすい雰囲気やしくみをつくることのほうが、ソフト選びよりもっと重要です。

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