| ユニバーサルデザインを検証する 黒板色の部分は同じなので、左側の枠内に注目してください。 左(サンプル1)は枠がひとつでそのなかに文字が埋め込まれています。 それに対して、右(サンプル2)は、枠のなかに枠が入れ子状態になり、さらに細かく仕切られています。 ![]() どちらがよりユニバーサルでしょうか。 答えはサンプル1(左側)です。プログラムの記述がシンプルなので、見る人のパソコンやブラウザ、解像度、OSなどに左右されにくい画面となっています。 同じ画面を実現するために、より少ない記述で見せるというのが技術者の腕の見せどころ。プログラムの容量が1バイトでも軽くなれば、たとえわずかであっても表示が早くなることや、余分な記述が少なくなれば、検索エンジンのキーワードを拾い出すアルゴリズムに対しても有利になるという副産物があります。 さらに、聴覚にハンディがある人が読み上げソフトを使って画面を聞くときに、入れ子構造になったサンプル2だと反応しない(読まれない)恐れがあります。どんな人でもどんな環境ても、できるだけ表現されるように近づける。それがWebにおけるユニバーサルデザインであり、コンピュータの画面上で再現される以上、見た目のデザインよりも優先しなければならない事柄です。 もうひとつ言えば、デザイナーが独特の美学でつくりあげたサイトはすでに自己完結しており、何かを加える(つまり情報の追加、更新)ときバランスが崩れてしまう場合があります。ところが紙の印刷物と違ってWeb上の情報は生きており、ダイナミックに動くことが前提です。これが紙の印刷物と違うWebならではのデザインの本質です。変化してこそのWebであるなら、少々の変化でバランスが崩れにくいデザインであることも必要でしょう。つまり制作後に情報の追加や更新がしやすいかどうかもユニバーサルデザインの定義に含めるべきだと考えています。逆に言えば、こうした技術上と更新上の制約のうえで、腕を振るうのがホンモノのWebデザイナーです。 次へ |