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アーティスト
タイトル
つれづれなるままにコメントを思いつくままに並べてみました。
早く売り切れたらごめんなさい。
ハニー&ビーボーイズ バック・トゥ・フリスコ  実力派4人によって、一時的に結成されたグループです。センチメンタル・シティ・ロマンスの西司、平松愛理、村田和人等によって創られる音は、良質の70年代西海岸の音。心の青空に夏雲がわき上がり、拡がっていくような(そしてどこまでも追いかけていきたいような)自由な気分がいっぱい!達郎、村田ファンはもちろん必聴、こんな気持ちのいいポップスがあることを知ってください。夏はそこまで、室戸岬も遠くない!爽快な音、爽快な道。
藤本 恭子  しあわせの彩色(いろ  1992年秋にデビューした女性です。詩、曲とも自作の作品は、彼女の豊かな感性を感じさせてくれます。電気増幅とは無縁の安らぎに満ちたうた、木の葉を手に取って眺めているときの親密な感じます。自然の息吹をそのまま音楽に閉じこめたかのよう。「ローズティーを... 」「春」を聴いてみてください。季節が見える。「うれしい時も... 」ひたむきな想いと人の声の温もりが伝わってきます。心が踊るのは「美術館行き... 」☆静かな朝にどうぞ。
りんけんバンド りんけんバンド  NHK大河ドラマ「琉球の風〜美海紀行」のテーマ曲を担当しています。沖縄・八重山は大陸、大和、南洋文化の接点として音楽の宝庫です。ぼくはその魅力に取りつかれています。その沖縄の旋律とポップスを織りまぜたものです。二胡などの雅びな楽器の音色はそれ自体が素敵ですが、聴いていると何か胸がふくれていくような気持ちの良さが感じられて自分のなかの広大な精神世界と共鳴するのです。それも20ビット録音によるすばらしい音で!
アンセルメ/スイス・ロマンド フォーレ組曲「ペレアスとメリザンド  陽射しに火照った頬を慰めてくれる優しい残照、それは夏の午後が落ちる前に最後にぶつけてくるため息のような情熱です。ぼくはこの曲を聴くたび、音楽で描いた最美のためいきではないかと思うのです。それは光が明滅するさまを淡く控えめな色彩で綴った音画。有名な「シチリアーノ」を含め4枚のタペストリー。そこには南仏〜地中海のきらめき。陽光が織り込まれているのだとしてもその静かに押し寄せてくる繊細な弦楽に心から慰められるのです。
松任谷由実 SURF & SNOW  ユーミンの最高作といわれたら躊躇なくこのアルバムを挙げます。彼女の感性がストレートに発揮されています。初期の瑞々しさと現在の楽曲の質の高さをあわせもっていて自信満々、それでいて自然体で吹っ切れた感じ。A面は夏の海、B面は冬の雪がテーマです。仲間が集まり週末に繰り出した甘酸っぱい果実のような時間に戻れたら... ♪“ああ時はさざ波、私たちを離れ離れ遠い島へ運ぶ〜同じビーチで夕日見れば胸の奥の彼は変わらないの... ”
大滝 詠一 EACH TIME  ロングセラーの「A LONG VACATION 」から4年、音の細部にまでこだわった(ヘッドホンで聴くと分かります)上質のアルバムです。全編を通して流れるリラックス感は(60年代)ポップスへの郷愁をかきたててやみません。音楽は最高級の娯楽だという彼の信念が感じられます。そして徹底してそこにこだわったこのアルバムのほうが中途半端な自己主張や私小説ソングより、はるかに胸に迫ってくるのです。例えば“ペパーミントブルー”を聴いてみて!
松田 聖子 パイナップル  『ユートピア』とともにリゾート感覚いっぱいもぎたての果実のように瑞々しいアルバム。新鮮な亜熱帯風ソングが目白押し!ひまわり、レモネード、コパトーン... 夏の妖精がきらめいているような独特の声質( しっとりとした曲さえ彼女の世界にはまってしまう) 、そして粒揃いの楽曲が20歳の女の子の世界を等身大で描いていきます。現実感と想像の世界が入り交じるさわやかな42分は、短い夏と同様にあっと言う間に過ぎていってしまうのです。
山下 達郎 メロディーズ  はじけるような夏の歌「高気圧ガール」から、噛めば噛むほど味があるスルメイカのような渋い楽曲「Blue Midnight 」、そして冬の定番「クリスマスイブ」( その前に置かれた静かな小曲「黙想」が間奏曲となって期待を高める) などやりたいことをやり尽くした絶好調アルバム。LPで持っている人は見開きのジャケットの素晴らしい色彩やメリーゴーランドの楽しいイラストが見られます。改めて考えてみてもレコードは良かったなと思うのですが...
バーティ・ヒギンズ カサブランカ  人恋しくなるような渋い声を聴いてください。無口な男ほど胸に少年のような浪漫を持っているとしたら、バーティのそれは「カサブランカ」のボギーです。恋人に戻ってきて欲しいと歌うCASABLANKAやフロリダへの憧れをこめた「KEY LARGO 」の切ないバラードの実在感を何といえば良いのだろう。カントリーロックに海の香りを漂わせた、不器用な男のロックで夜を走らせてみれば、懐かしく胸に迫るものがあるでしょう。
山下 達郎 FOR YOU   詩的な深みを感じさせる前作「RIDE ON TIME」に対してどこまでも青空を感じさせる爽快な音。そして相変わらずの楽曲志向。特に「MORNING GLORY 」「FUTARI」など朝露に濡れた初夏の草木のように清々しい1ページ、若さがはじける「SPARKLE 」や「LOVELAND ISLAND 」、本音をストレートに表現した「HEY REPORTER」など、まりやとの愛情の深まりが投影されているのかも。動きだした時間はだれにも止めることができない「真夏の果実」だと思う。
モーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」 イェリネック、トリップ、ウィーンフィル モーツァルトの最も典雅な作品。フルートとハープという珍しい組み合わせのために曲は平易に書かれていますがそこはモーツァルト、きらびやかな宮廷で演奏されるにふさわしいロココの魅力いっぱいの佳品です。それはまさに1小節ごとに微妙な変化をみせてはきらめく七色の虹のような魅惑に満ちています。この盤はウィーンフィルの首席奏者による演奏で遅めのテンポゆえ、旋律を心ゆくまで鑑賞できるのです。やすらぎのα波音楽としても好適。
石川 セリ BOY
 〜♪" いつまでもわたしたち、背の高いこどもなの無限のゆめに輝くひとみ..."曲の終わりに繰り返されるキーボードの旋律がいかに優しく響くことか。〜♪" つないだ手から離れない愛... また来る夏もあなたに逢える... 街はピンクの靴はいて走り抜けるさよならと青空に書いて..."麦畑の中で見つめ合う恋人たちの親密な時間を綿アメにして空に浮かべたような音楽と、憧れを真綿でくるんだようなヴォーカル。豊かな夏の静止画に包まれてしまう。
HARU 銀河宇宙オデッセイ  「シルクロード」に次ぐNHKドキュメンタリーの傑作「銀河宇宙オデッセイ」のサントラです。ギタリストのハルやサックスのウェイン・ショーターが中心となって演奏しています。生命の誕生した水惑星・地球を讃えるような序曲に始まり、150億年の命のリレーを訴えるウェインのサックスが冴える「ODYSSEY EPISODE 」、こどもたちの歌声がこだまする「LUNAR 」、そして最後を締めるのはピアノが空間を漂うながら消えていく「ODYSSEY THEME 」。
甲斐バンド 地下室のメロディー  甲斐バンドの名作が最近値下げされました。どうしてこんなにエネルギーがあるのか、最近流行の薄っぺらいダンス音楽とは全然違います。大音量を出しシャウトするようなエネルギー感とは違う、情念に訴えかけてくる、ぞくぞくするような快感があります。それはメロディーの良さ+官能を感じさせる詩+甲斐よしひろのヴォーカルの濡れた質感です。「漂白者(アウトロー)」「地下室のメロディー」「1世紀前のセックス・シンボル」「街灯」など。
レ・ミゼラブル ミュージカルサントラ(日本語)  オリジナル・ロンドン・キャストです(英語)。これほどまでに素晴らしいミュージカルはないと思います。大阪で日本キャストを見たとき何度も頬を伝うものがありました。そして1週間も開けず再び海を渡りました。それは生き方を変えてしまう程でした。日本版もロンドン版に負けないほど良く、島田歌穂のエポニーヌや、滝田栄のジャン・バルジャンは出色でした。毎日このCDを一年以上も聴き続けました。
バックハウス ベートーヴェンピアノナタ「田園」  ベートーヴェンのピアノソナタのなかでも、自然の息吹が感じられる作品です。陽光をいっぱいに含んだ5月の風がごきげんうかがいに入ってくるような第1楽章に始まり、おとぎの国の2楽章、愉悦を絵に描いたような3楽章、そして珠玉をころがすような終楽章。終始上機嫌のベートーヴェンを聴く楽しさここに極まる!森への憧れが音楽による詩となったみずみずしいピアノ曲として誰にでも聴いてほしい作品です。演奏者はバックハウスか、ナット。
マンハッタンズ 夢のシャイニングスター  不夜城の夜更けにすする熱いコーヒーの香りに包まれて、聞こえてくるソウル・バラードの名曲は、「夢のシャイニングスター」。4人の名手が醸しだす極上のコーラスは変わることなく、リズム&ブルースを基調にフィラデルティア・サウンドを取り入れたブラック・コンテンポラリーとして約20年。とろけるようなヴォーカルとハーモニーはあまく、かつ洗練されていて誰にでも受け入れられるでしょう。好選曲のベストも推薦。
ガムラン (現地録音)  はじめてガムランの響きを聴いたとき、寝つかれないほど魅力的だった。同じような旋律が繰り返されているようで、実は無限に続く音楽の深遠に巻き込まれたかのごとく時間の迷路に入ってしまって、記憶が消えていくかのような錯覚さえ覚えた。実際現地では地元の人だちが、この響きを聞きながらトランス状態に陥ってしまう。そんな魅力に満ちた危険な音楽なのだから、ストレス疲れの人には逆にちょうど良いリラックス音楽になるかもしれない。 

バーブラ・ストライザンド
ギルティー  ビージーズのバリー・ギブ、プロデュース。短調の旋律をこれほどの含みを持って歌えるヴォーカリストは少ない。ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」(決して独身者は聞いてはならない)のあの官能の音楽を現代に持ってきた感じ。しかしその表現は吐息をそのままぶつけてくるような生のままの情熱ではなく、ため息の底からさらに伸びたひとすじの命の輝きの美しさ!ひとりの夜に糸をひくような静かな高まりを聴く法悦の時。心のひだが見える。
松岡 直也 9月の風  初夏に出会った二人が、灼けた砂浜で愛し合い、やがて秋に別れを経験する。9月の渚は人っこひとりいない。それでも頬をかすめる陽射しは強い。でもどこかちがう。フライパンの底にいるような熱気はない。それは風がちがうから。残照が少しづつ優しくなっていく季節。火照りをさましたい心とからだに、松岡のラテン・ピアノが軽やかに弾む。ぼくがマリン・ブルーのVWゴルフを走らせるとき、この曲が流れる。そしていつもの店でコーヒーを。

ASAP
GRADUATION  ユーミンの英語のカバー集。ヴォーカル、アレンジ、英訳詩、選曲のすべてが良かった。思わず口ずさみたくなるような良質のBGM であり、ここち良いヴォーカル集としてきいても良し。 'Vapor Trail'( ひこうき雲) の空高く舞い上がっていくような気分、タイトル曲のうきうきした仕上がり、 'Chuo Freeway'( 中央フリーウェイ) の上品なきらめき、'In The Morning Light'のしっとりしたバラードの情熱など。食後には必ず聴いていたデザートCD
島田 歌穂 ディストラクションズ 実力派歌手のデビュー盤。エリザベス女王の希望により面前で歌ったことや、ミュージカル「レ・ミゼラブル」のすばらしいエポニーヌ役が忘れられないけれど、このアルバムは彼女のニュアンス豊かな( 決して高音や声質、音量に頼らない)歌唱と静かに耳を傾けることのできる佳曲ぞろいで車でかけても、洋酒と一緒に味わっても期待に答えてくれる。「夕焼けの丘」では涙がこぼれ、「短い夏」では何とも言えないさわやかな風が心を吹き抜ける。
ツィマーマン、カラヤン/ウィーンフィル グリーグ「ピアノ協奏曲」イ短調  コンサートの終了後、妻を伴って会場から出てきた彼を見たとき、演奏と同じような豊かな内面が感じられた。当時20代の彼が美しい妻を抱き抱える姿は心を打つものがあった。芸術を天与の職業とする数少ないピアニストであり、深い内省と包容力を感じさせる音楽は、ドイツ系の作品で生かされるが、このグリーグは曲も演奏も、アルプスの岩清水のごとく清冽で豊かな広がりがある。人生がこんな風に過ぎていくならどんなに幸福だろうと感じる刹那
フルトヴェングラー/ウィーンフィル ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」  真の天才のみに書ける音楽。当時の前衛音楽も今では古典。しかし創造力を存分に発揮して暴れまわる若獅子ベートーヴェンのとどまる所を知らない奔放さに共感を覚える。一人で聴いていると笑いがこぼれてしまうほどだ。深くうねりながら幻想の森を流れる大河をぼくは心から愛し敬意を払わずにはいられない。これほど彫りの深い音楽でしかも聴いて楽しい曲は他にはない。演奏者は曲にすべてをかけてぶつかってほしい。だからフルトヴェングラーなのだ。
NHK東京放送児童合唱団ほか 早春賦〜珠玉の唱歌名曲集  少年・少女による合唱はけがれのない独自の世界を持つ。声が重なっても透明度を失わず、素朴でひたむきである。少女の独唱のみで始まる「朧月夜」の厳かな出だし、村の情景が手に取るように思い浮かぶ「夏は来ぬ」。かつて、日本のどこにでも見られた典型的な故郷は、もはや歌の中にのみ生きているだけ。余計に懐かしく胸締めつけられる思いがする。ピアノで導入される「紅葉」の静かな開始や、ハーモニカが風に揺れる「故郷の空」・・・無言。
太田 裕美 ベスト  高度経済成長の熱が冷める頃、混沌の中で人はやさしく、楽天的になった。そんな70年代後半に現れた彼女の声はどこを探してもメッセージ色や不愉快な調子は聞かれない。その心地よさを感じるぼくは自分の中に平凡志向があるのを知って驚く。ハンバーガー、ソフトクリーム、マイカーの青春を謳歌した若者はやがてマイホームを持つ大人になっていく。「木綿のハンカチーフ」を聴くたび、なつかしさを抱きしめてしまう。「君と歩いた青春」今でもあの頃の夢を見る。
喜納 昌吉  紅白歌合戦でも歌われた喜納昌吉の「花」は至宝の名曲である。♪泣きなさい、笑いなさい... の歌詞が耳に残っている人はいると思う。彼は何度かこの曲を録音しているが、最もすばらしいのは、このシングルに収められた歌唱だ。7 分という長い編曲だが、もっと浸っていたい! もう一度聴きたい! 時間がこんな風に流れていけばいいな! そしていつのまにか大声で歌いだしている自分を発見する。精一杯生きて自然に帰っていく。生きることの喜びよ! しかも彼は吉野川第十堰でこの曲を歌ってくれたのだ。
ブレッド&バター ベストセレクション  湘南の音といえば、サザン、TUBEよりもむしろ、ブレバタの方がぴったりくる。二人の兄弟の醸しだす独特の声質が重なり合って、舌足らずな日本語を洗練されたリズムに乗せて、ささやくように歌う。それは万人受けする音ではないが、少数の熱烈なファンを持つという感じ。人の顔がそろそろ夕闇に埋没して、これから夏の夜が始まるといった時刻にこんな音楽が聞こえてきたらいいだろうな... と思わせる。フルコースの直前の前菜を楽しむべき音楽。
クリストファー・クロス 南から来た男  窓をうんと大きくとって観葉植物を窓辺に置く。大きなTシャツを吊るした白い壁、そんな部屋に似合う音楽なら真先にこのアルバムが候補に上がる。カラッと晴れたLAの空を思わせる、力強く澄んだヴォーカル。西海岸では音楽は天然のシャワー、潮の香をいっぱいに含んだ偏西風が頬を撫でていく。人工と自然の調和の賜物である絵はがきのような66号線を南に下る時、こんな洗練されたヴォーカルとさわやかな楽曲があればいい。グラミー賞受賞盤。
フィリップ・アントルモン ピアノ名曲集  ピアノ名曲集。アントルモンはフランスのピアニストだが、この小品集に収められたドヴォルザークの「ユーモレスク」がすばらしい。演奏の違いなんか分からない、あったとしても何の意味があるの?と思う人に聴いてほしい。簡単な曲を楽譜通りに弾いているだけ。自分でも弾けそう。でも、千回の練習をしても真似の出来ない絶妙の間合いがある。微妙に揺れるテンポ、そして楽曲は少しも崩れない。ほんの4 分の出来事。感性とはこんなものなんだ。
CSN&Y デジャブ  70年に発表のアルバム。CSN&Y の音楽はアコースティックなカントリー/ フォーク調のものから、イギリス風のポップス、ハード・ロック、ラテン・ロック、サイケデリックなどを含み、コーラス・ハーモニーは完璧で、ロックンロール史上、生ギターを使って最も力強く、美しいロックを作ったグループではないかと言われています。当時の西海岸を代表するバンドであり、映画「いちご白書」「小さな恋のメロディ」で使われた「僕達の家」などを収録。
キャロル・キング つづれおり  70年代の初頭を飾るアルバム。発売以降5年間にわたって、合計千数百万枚を売るという驚異のロングセラーとなりました。その音楽は、ロック、ソウル、カントリーの要素を融合した親しみやすい仕上がりで、これ以降、アメリカにシンガーソングライターの時代をもたらすことになりました。なお、このアルバムからは、「心の炎も消え」と「きみの友だち」の2曲の全米ナンバー・ワン・ヒットが生まれました。
ビーチボーイズ ペットサウンズ  「かつてない最高のロックアルバムを作っている」。ブライアンが妻に語った言葉です。3 分程度の短い曲の中に複雑で豊かな音の世界を盛り込みました。このアルバムが発表された65年〜66年にかけては、ボブ・ディランの「ブロンド・オン・ブロンド」やビートルズの「サージェント... 」といった、きら星のような新しいロックアルバムが出現した時代であり、そうした時代に対するビーチボーイズの回答がフィル・スペクター風のこのアルバムなのです。
久保田 早紀 サウダーデ(ポルトガル録音)  「異邦人」が有名な久保田早紀ですがこのアルバムを聴くと彼女が典型的な天才肌=芸術家タイプの人なのがよく判ります。特にA面はギター数本だけの伴奏でスペインの哀愁が漂う編曲…真の天才だけが持つ水晶の切り口のような鋭い詩、沸き上がる旋律の魅力、一見透明無表情なようで感受性の豊かな耳には無限の変化がみえる歌声・それは聴く人の感性を試すすばらしいアルバム!「18の祭り」「4月25日橋」・・燦然と才能がきらめいています。
大貫 妙子  AVENTURE  ヨーロッパを主題にした3部作最後の作品。「海と少年」「突然の贈りもの」を収録した最初のアルバム「ミニヨン」も忘れがたい。感情を淡くたたえた透き通るような声がぽっと浮かび上がる。彼女の持つヨーロッパの香りは決して哀愁を帯びた灰色の景色ではなく、強すぎないが暖かいラテンの太陽のよう。このアルバムはギリシャ神話の味を加えて繊細かつわくわくするような彼女の感性が十分に発揮されている。"Samba de mar"を聴いてみれば納得。
リヒテル ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」  夢中で人を好きになったときがあり、この曲を聴きながら心をこめてペンを走らせていた。特にすばらしいのは第2楽章。弦楽が綿々と訴えかけてくる中をピアノが静かに胸をかきむしられるような甘い旋律を歌う。高い空にぽつんと取り残された柿の実ひとつ、暮れゆく秋に涙ぐみながら、心の中でこの曲が鳴っていた。余りに感傷的な作品だけど、酔えたのは実体験がそうだったから。でもこの曲の美しさはやはり普遍的なもの。秋に聴いてみては?