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かかしが見守る棚田の晩夏 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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草刈りは地道だけど、こんな役目 棚田は石垣を積んでいます。この石垣や畦に草が生えると、日陰をつくり稲の生育を妨げます。立体的なデザインのため、平地とは違う手間がかかります。 そろそろ稲の実入りが気になる季節です。そこで、稲の番人かかしが大活躍。その愛嬌ある存在感が野良仕事の話相手になってくれます。 上勝町には不思議な集落がある。川沿いには家が一軒もないが、空に突き抜ける急峻な坂道を登っていくと突然視界が開ける。点在する家屋、小さな棚田が連なる斜面とそこに接する森…天空の城が現れたのかと思った。ここは尾根沿いの市宇という集落である。 今日は棚田の学校の日。田植えをするために徳島市などからやってきた数人が集落の人とともに定規を使って手で苗を植えていく。 裸足で泥田を泳ぎながら後ずさりしていくと、たちまち苗が整列していく。田んぼの形もいびつなら、植え方もいびつ。しかし稲はそんなことにお構いなく力強く成長していく。地元の人は「まちの人に来てもらってよかった」と言ってくれるが、ほんとうは自分たちだけでやったほうが早い。 それでも、まち人の訪問を心から待っていてくれる。あぜに生えているウドやフキ、よもぎを使ってみんなで昼食を作る。食卓には雑穀や山菜をあしらった料理が並ぶ。豊富なミネラルと食物繊維の長寿食だが、これが普段の食事という。 風が吹き抜ける天空の集落で暮らす人たち。里山にまもなく初夏が訪れる。その頃、棚田の学校は草取りとなる。
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