勝浦川源流探索の記録(1998.5.31)


勝浦川源流を求めて探索を行いました。事前に詳細地図(5千分の1地図)を入手し、目視によって大筋の流れを絞りこみ、次に地図の地形から集水域を見て沢を数本に絞りこみました。尾根に囲まれた範囲が広い沢ほど水量が多いと考えられるからです。そして、源頭の特定に当たっては、水が涸れないことを条件としました。いくつかの季節で確認する必要があります。文中で出てくる記号は手書き地図に振られた番号です。手元メモから起こしたもので地図を紛失してしまい、ここに掲載することができません。なお入山に当たっては山主のご同意をいただきました。

1,上勝町役場から現地までの車の所要時間
殿川内橋(21分,12.2km)
  長尾飯場(14分,13.5km)
  P=ヘアピン(31分,16.2km)
   駐車可能台数…P1=手前ヘアピン 15台 ・・
          P2=谷沿い   5〜10台  ・20〜30 台程度
          P3=最終ヘアピン 6 台 ・・

2.行程
  いずれの沢も源頭まで1時間少々の行程。

(ア)〜(イ)(15分)
 駐車場からA沢とB沢までの分岐で、ゆるやかな沢沿いのトラバース気味の作業路。
(イ)〜(ウ)(20分)
 分岐からしばらくB沢沿いに進んだあと、東へ迂回し、A沢、B沢の分水尾根の直登となる。この登りは初心者にはややきつく感じられるかもしれない。上がりきったところに炭焼き小屋跡がある。
(ウ)〜(エ)(20分)
 A沢に出てから沢沿いに詰めていく。途中崩壊跡が右岸に現れ、そこからの土砂の堆積が著しい。渇水期にはこの土砂の下を伏流したりして、この辺りが起点になっている可能性もある。谷の遡行は比較的容易である。
(エ)〜(オ)
 炭焼き跡のすぐ上から西(右)へトラバースしている作業路に沿って行くと、沢筋に出る。沢からしばらく遡行すると、谷が開け、尾根が間近に展望できるようになる。何度か渡渉を繰り返しながら沢沿いを詰めていくと、いったん水が枯れて岩の間から吹き出ている場所がある。渇水期には源頭となる可能性がある地点で、地図上の推定標高は、約1,200 mぐらいか。しかしさらに遡行を続けると伏流していた水が現れ、その先で谷が二つに分かれて源頭が近いことを知らせる。


3.それぞれの沢の様子

〔A沢〕

  • Bとの分岐で水量の多い滝をつくり、ここでは主流に見える。
  • 地図上では標高の高い地点まで書き込まれている。
  • 右岸に崩壊地点があり、渇水期にはその辺りで伏流すると思われるが、雨後の様子ではさらに高い地点まで源頭は伸びている模様。この日はそこまでは到達しなかった。
  • 沢の様子は、細長い水流が狭い谷を駆け降りているといった印象。
  • 遡行した地点までの歩行時間は、約1時間。

〔B沢〕

  • Aとの合流点では沢の幅が狭いため、水量で見劣りするが、奥へ行くほど、谷が開けてくる。
  • 沢は開けた感じで源流の姿としてはA沢より風格がある。
  • 念のため、地図上で集水域を検討してみると、Aより広い範囲で水を集めていることがわかった。
  • こちらは源頭まで向かったが、一度それらしき地点を通過してしばらく遡ると、伏流地点がしばらく続くが、やがて谷がふたつに分かれる。どちらの谷にも水はあるが、かなり細くなっている。
  • この地点の標高を地図上から推定すると、約1,130 mぐらい。
  • さらに少し行くと水は水滴状になる。ただしここから上にさらに源頭がある可能性はある。次回の探索で明らかにしたい。
  • ここへ行くには、炭焼き跡のすぐ上から右へトラバースする作業道をたどると比較的楽にBの沢に入ることができる。

結論として、

  • B沢のほうが源流のような雰囲気がある。
  • 渇水時にA,Bの追跡調査が必要である。
  • 全工程は駐車場から食事の時間も入れて往復3時間前後に納まりそうである。
  • 足元を濡らすつもりで歩いた方が歩きやすい。沢登りの装備はいいが、登山靴で十分、慣れた人はスニーカーも可(ただし足元は濡れる)、ゴム長は疑問。
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