うちなーサンデー晴れときどき泡盛をもう一杯
風邪気味の日曜日、朝はおいしいコーヒーを立て、目玉焼きをネタに生のキャベツをかじり、トーストを食べた。季節はずれの嵐の翌日、空はからっと晴れているけれど、風は強い。午後からは、好きな音楽を聴く。あのマホガニー無垢のスピーカー、必要最小限のツマミしかついていないビクターのプリメインを温め聴く。

こんなときに手が伸びるのは、決まって沖縄の音楽だ。新良幸人とアコースティックパーシャの「月夜浜」。マイナーレーベルから発売されているけれど、音楽のコクと深みは第一級。録音がこれまたシンプルながらうねるような低弦、ひたひたと押し寄せてくる声の情感を伝えてやまない。三線、笛、それに低弦(チェロかコントラバス?)を加えた簡素な音づくりだが、人の声にぴったり寄り添い、ときには声を押さえて躍り出て音楽のコクを醸し出す。いうまでもなく新良幸人の声がいい。そしてコーラスを担当している金城はるみが控えめに、そして対等以上にわたりあう。「とぅらばーま」を聴いてみるといい。土の香りの素朴な歌声、生の楽器、そしてコーラスが官能の頂点であふれだす。

続いて夏川りみがシンセサイザーの伴奏に乗って八重山民謡「月ぬ美しゃ」を歌えば悠久のときを思う。やなわらばが「青い宝」を歌うと部屋には初夏のそよ風が吹く。ここでコーヒー休みを取る。

コンサートの再開は、奄美の朝崎郁恵の「うたばうたゆん」から二曲続け、元ちさとのインディーズ時代のアルバム「コトノハ」につなぐ。奄美の歌姫といわれるRIKKIを聴いてみたいと思っている。

泡盛の残波(白)を注ぐ。残り少なくなってきた。沖縄に戻り、神谷千尋の「美童しまうた」の高音に酔う。残波が空いたので、瑞泉「うさき」を開ける。次は、大工哲弘が三線一本でうたった民謡集を聴く。締めくくりは大島保克の「島時間」「東ぬ渡」。ほろ酔い気分のときに決まって聴きたくなる。陶酔的な高音と人間味あふれる楽曲。大島の歌声に漂うなつかしさと憧れは酒の香りをさらに良くする。

それにしても、なぜ奄美から沖縄、八重山にかけては歌の宝庫なんだろう。南太平洋ポリネシアをひとつきかけて旅をしたことがあったが、電気のない島では太陽が落ちるとみんながどこからともなく集まってウクレレ片手に歌っていたっけ。でももしかして沖縄周辺の歌心は地球でもっとも感覚が研ぎ澄まされ、さまざまな文化が混じり合いながらも純粋なかたちで残っているのではないか。人々が歌にかける思いが深い…。

もう夕方が近くなってきた。少し近所を歩いてみよう。


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